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眞榮平 孝裕*; 堀田 貴嗣; 上田 和夫*; 長谷川 彰*
New Journal of Physics (Internet), 8(2), p.24_1 - 24_20, 2006/02
被引用回数:16 パーセンタイル:64.61(Physics, Multidisciplinary)相対論的バンド計算手法を用いて、NpTGa, PuTGa, AmCoGa(Tは遷移金属原子)のエネルギーバンド構造及びフェルミ面を調べた。これらの物質に共通の性質として、フェルミ準位近傍のエネルギーバンドは、5f電子とGaの4p電子の大きな混成によって生じる。PuCoGa(T=Co, Rh, Ir)に対しては、大きな体積を持つ複数枚の円筒状フェルミ面が得られた。NpFeGa, NpCoGa, NpNiGaのフェルミ面はそれぞれ、細かい点を別にすれば、UCoGa, UNiGa, PuCoGaのそれに形状がよく似ている。AmCoGaのフェルミ面は、大きな体積を持つ円筒状の電子フェルミ面と小さな閉じたホール面から構成されるが、これはPuCoGaのフェルミ面構造とよく似ている。これらの類似性は、バンド構造が物質ごとにほとんど変化しないままフェルミ準位のみが変化する、という描像で理解される。
青木 大*; 山上 浩志*; 本間 佳哉*; 塩川 佳伸; 山本 悦嗣; 中村 彰夫; 芳賀 芳範; 摂待 力生*; 大貫 惇睦
Journal of the Physical Society of Japan, 74(8), p.2149 - 2152, 2005/08
被引用回数:25 パーセンタイル:72.87(Physics, Multidisciplinary)Bi-フラックス法によりパウリ常磁性体NpGeの高品位の単結晶試料を育成し、ドハースファンアルフェン効果(dHvA)測定を行った。これにより本系のフェルミ面トポロジーを実験的に明らかにし、遍歴5電子バンドモデルに基づいた相対論的バンド計算の結果とよく合うことを見いだした。フェルミ面は100方向に頚部を持ったほぼ球状の電子フェルミ面からなり、これはまた、単一のバンドから成るR点に中心を持つ中空のボールを形成している。サイクロトロン有効質量は2.6-16の値であり、対応するバンド質量より3.5倍ほど増大している。
青木 大*; 山上 浩志*; 本間 佳哉*; 塩川 佳伸; 山本 悦嗣; 中村 彰夫; 芳賀 芳範; 摂待 力生*; 大貫 惇睦
Journal of Physics; Condensed Matter, 17(17), p.L169 - L175, 2005/05
被引用回数:43 パーセンタイル:80.65(Physics, Condensed Matter)Ga自己フラックス法により純良なNpRhGa系単結晶を育成し、その低温反強磁性状態でのドハースファンアルフェン(dHvA)振動の観測を行った。その結果、主要なフェルミ面を構成する4種類のほぼ円筒状のフェルミ面を見いだした。これらの擬2次元的なフェルミ面は、本系の低温での扁平な反強磁性ブリリアンゾーンにおいて形成されるものであり、スピン及び軌道分極バンド計算の結果と良い一致を与える。サイクロトロン質量は8.1-11.7m程度であり、バンド質量の約4倍程度増強されていた。本結果は、5f遍歴電子バンドモデルがネプツニウム系磁性化合物に適用できることを示した初めての例である。
薄田 学; 五十嵐 潤一*; 小玉 祥生*
Physical Review B, 69(22), p.224402_1 - 224402_5, 2004/06
被引用回数:20 パーセンタイル:65.71(Materials Science, Multidisciplinary)UGaのGa-吸収端における磁気共鳴X線散乱スペクトルを、局所密度近似によるバンド計算に基づいて理論解析した。その結果、Gaバンドの軌道分極が起源となって磁気共鳴散乱スペクトルが得られることがわかった。そのGaバンドの軌道分極は、隣接するUサイトのバンドの大きな軌道分極によって誘起されたものであり、したがって、Ga-吸収端における磁気共鳴散乱スペクトルは隣接Uサイトの軌道分極と密接に関係していると言える。
薄田 学; 高橋 学*; 五十嵐 潤一
Physical Review B, 69(1), p.014408_1 - 014408_7, 2004/01
被引用回数:11 パーセンタイル:49.46(Materials Science, Multidisciplinary)この論文では、反強磁性体NiOのNi原子吸収端における磁気共鳴X線散乱スペクトルを第一原理計算に基づいて解析した結果を報告している。散乱振幅の計算では、共鳴過程における双極子遷移及び四重極子遷移を考慮し、また非共鳴散乱振幅も考慮した。スピン軌道相互作用を通して非占有バンドが軌道分極することにより磁気散乱スペクトルが現れることを計算から明らかにした。
薄田 学; 浜田 典昭*; 白石 賢二*; 押山 淳*
Physica Status Solidi (C), 0(7), p.2733 - 2736, 2003/12
被引用回数:2 パーセンタイル:68.29(Crystallography)ウルツァイト型GaInNに対する準粒子バンド構造を、近似に基づく全電子FLAPW計算法を用いて計算した。InNに対するバンドギャップの計算値は1eV以下であり、最近報告された実験値を支持する結果となった。
梅林 励; 八巻 徹也; 山本 春也; 宮下 敦巳; 田中 茂; 住田 泰史*; 浅井 圭介*
Journal of Applied Physics, 93(9), p.5156 - 5160, 2003/05
被引用回数:300 パーセンタイル:98.63(Physics, Applied)イオンビームを利用した手法によって、これまで困難だと言われてきたTiOへのSドープに成功した。本論文では、イオン注入実験の詳細と、S注入TiOの結晶構造,光学特性、及び電子構造について報告している。特筆すべき成果としては、S注入TiOは可視光励起によってVBとCBにキャリアを生成することが明らかになった。この結果は、Sドープによってバンドギャップナロウイングが起きるという理論的な予測と一致している。
梅林 励; 八巻 徹也; 住田 泰史*; 山本 春也; 田中 茂; 浅井 圭介*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 206, p.264 - 267, 2003/05
被引用回数:24 パーセンタイル:81.79(Instruments & Instrumentation)CrとNbがドープされたTiOの電子構造を第一原理バンド計算と紫外線光電子分光(UPS)によって詳しく調べた。両ドープ体には、電子占有準位がバンドギャップ内に形成されることが明らかになった。これら不純物準位は、CrドープTiOではバンドギャップのほぼ中央に、Nbドープの場合は伝導帯(CB)の底付近に位置する。過去に報告された遷移金属ドープTiOの可視域における光応答特性は、これらの不純物準位を介した電子遷移過程を考えれば系統的に説明できるものと考えられる。UPS測定では、不純物準位に起因するピークが両ドープ体ともに観測された。Crドープに由来する準位のピークは価電子帯(VB)端の近くに現れたのに対し、Nbの準位はより高エネルギー側、すなわちCBに近い側に位置した。この不純物種による違いは、上記の計算結果とほぼ一致した。われわれは、Cr,NbがTiOにドープされたときにバンドギャップ内に形成される準位の特性を理論,実験の両面から明らかにした。
眞榮平 孝裕; 樋口 雅彦*; 長谷川 彰*
Physica B; Condensed Matter, 329-333(1-4), p.574 - 575, 2003/05
被引用回数:20 パーセンタイル:66.95(Physics, Condensed Matter)今回、, と同じ-type tetragonal 結晶構造をもつ重い電子系化合物,の電子構造とフェルミ面を相対論的バンド計算に基づいて理論的に明らかにした。得られた電子構造は、フェルミレベル近傍においてUの5成分とGaの4成分がよく混成し、スピン-軌道相互作用により、フェルミレベル上方において、バンドが大きく2つのグループに分裂している。また15,16番目のバンドが、それぞれ閉じたフェルミ面を形成し、キャリアー数の計算から補償された金属であるということが理解された。フェルミ面のトポロジーは、Ce-115系やとは異なり、ブリルアンゾーン内の大きな2次元的フェルミ面は形成しないという結果があらたに得られた。
池田 修悟; 常盤 欣文*; 大久保 智幸*; 山田 美音子*; 松田 達磨; 稲田 佳彦*; 摂待 力生*; 山本 悦嗣; 芳賀 芳範; 大貫 惇睦
Physica B; Condensed Matter, 329-333(2), p.610 - 611, 2003/05
被引用回数:13 パーセンタイル:56.02(Physics, Condensed Matter)UTGa(T:遷移金属)は、a軸に比べてc軸の格子定数が大きくなった正方晶の結晶構造をもつ化合物で、われわれは遷移金属を変えて系統的に磁性とフェルミ面を明らかにしてきた。その中でも今回われわれは、UTGaの単結晶育成にはじめて成功し、ドハース・ファンアルフェン効果測定を行った。その結果、準二次元的な4つの円柱状フェルミ面を観測した。これは結晶構造や、中性子散乱実験から求まった磁気モーメントの周期を考慮することで理解できる。現在まで、反強磁性状態でのバンド計算とドハース・ファンアルフェン効果の結果は、一致していなかった。しかし今回は、UTGaの反強磁性状態でのバンド計算は、ドハース・ファンアルフェン効果の結果と比較的よく一致していることがわかった。
梅林 励; 八巻 徹也; 伊藤 久義; 浅井 圭介*
Journal of Physics and Chemistry of Solids, 63(10), p.1909 - 1920, 2002/10
被引用回数:627 パーセンタイル:99.67(Chemistry, Multidisciplinary)F-LAPW法を用いた第一原理バンド計算によって、遷移金属(Cr,Mn,Fe,Co,Ni)をドープした二酸化チタン(TiO)の電子構造解析を行った。TiOにCr,Mn,Fe,Coをドープした時は、バンドギャップ内に占有準位が形成され、電子は不純物t軌道に局在することを明らかにした。この不純物準位は、ドーパントの原子番号が大きくなるに従って低エネルギー側にシフトした。一方、Niを導入した場合は、Ni 3d軌道は、O 2p,Ti 3d軌道とともに価電子帯を形成することがわかった。既報の吸収スペクトル、及び光電流スペクトルの実験結果とわれわれの計算結果とを比較することにより、可視光域における光応答には不純物t準位が大きく関与していることを見出した。
梅林 励; 八巻 徹也; 伊藤 久義; 浅井 圭介*
Applied Physics Letters, 81(3), p.454 - 456, 2002/07
被引用回数:1351 パーセンタイル:99.93(Physics, Applied)可視光下で高活性な光触媒の新材料の開発を目的として、新物質の理論的な探索をバンド計算によって行ってきた。その結果、TiOに対して硫黄(S)を添加することが有効な手段あることを突き止めた。計算から、Sは酸素(O) と置換することによって価電子帯の幅を増加させ、結果としてバンドギャップを減少させる働きを持つことを明らかにした。しかしながら、既報のデータではTiO内のSとOの置換エネルギーは非常に大きいとされているため、Sのドーピングは困難であると考えられた。そこで、われわれはTiSを高温で酸化することで当該物質の作製を試みた。そして、同化合物を600 C(空気中)で焼成することによって、SとOの置換に成功したことを、X線回折及び光電子分光測定の結果から明らかにした。さらに、拡散反射スペクトルからは、可視域において光応答性を持つことが確認され、理論的予測の裏付けを得た。この物質は、新たな可視光応答型光触媒材料として大きな可能性を持っている。
眞榮平 孝裕; 瀧本 哲也; 堀田 貴嗣; 上田 和夫*; 樋口 雅彦*; 長谷川 彰*
Journal of the Physical Society of Japan, Vol.71, Supplement, p.285 - 287, 2002/00
被引用回数:8 パーセンタイル:49.89(Physics, Multidisciplinary)最近、重い電子系物質群に属し超伝導を示す化合物CeTIn(T=Rh, Ir and Co)が発見された。一方、大貫グループ(阪大院理)らにより、CeIrIn,CeCoInの純良な単結晶育成が行われ、明瞭なde Haas van Alphen(dHvA)ブランチが観測されている。観測されたdHvAブランチは円柱形状の2次元的フェルミ面によってよく説明される。さて、CeIrIn及びCeCoGaのようないわゆるCe-115系の電子構造を理解するために、次のような2段階の解析をおこなう。第一段階は、相対論的線形化Augmented Plane Wave法を用いたバンド計算によりフェルミ面を決定する。そして得られたフェルミ面のうち、特にdHvA角度依存の実験によって観測されている2次元的フェルミ面に着目して詳細な解析をする。第二段階は、フェルミレベル近傍のエネルギーバンド構造を、簡単化された強束縛模型を用いて解析をする。最近接Ce イオン間の f電子のホッピングの大きさや結晶場パラメーターは、第一段階のバンド計算において得られたフェルミ面を再現するように決定される。さらにクーロン相互作用をこの強束縛模型に加えることにより、Ce化合物に対する簡単化されたHamiltonianを導出すし、4電子系における磁性及び超伝導を微視的な観点から論じる1つの方法を提案する。
山本 悦嗣; 芳賀 芳範; 眞榮平 孝裕*; 稲田 佳彦*; 村川 政男*; 大貫 惇睦; 長谷川 彰*
Journal of Magnetism and Magnetic Materials, 226-230(Part.1), p.51 - 53, 2001/05
UCの純良単結晶を育成し、ドハース=ファンアルフェン(dHvA)効果の測定を行った。半金属UCのフェルミ面が3つのだ円正孔面と6つのクッション状の電子面から成ることが明らかになった。これらのフェルミ面の性質はdHvA測定とSRAPW法によるバンド計算を元にして確かめられた。ホール面はCの2p荷電子による寄与が大きく、電子面はUの5f伝導電子による寄与が大きい。ホール面のサイクロトロン質量は小さく静止電子質量程度なのに対し、電子面では4.0~15mと大きくなっている。これはUの5f電子の性質に起因すると考えられる。
手島 正吾
JNC TN8400 2000-029, 54 Pages, 2000/10
本報告は、著者が核燃料サイクル開発機構において平成10年4月から平成12年10月までに博士研究員として行った研究内容をまとめたものである。本報告は、3つの内容に分かれる。1)相対論的スピン密度汎関数法に基づくバンド計算法、この計算法をも用いて解析した、2)強磁性体UGe2、3)反強磁性体UO2の電子物性に関する研究である。1)相対論的バンド計算(RBC)法 s、p、d電子系物質を扱うバンド計算法は、基礎面、応用面ともに十分な研究が行われている。しかし、アクチニド化合物のような磁性5f電子を扱うバンド計算法は、非常に複雑でありかつ相対論的アプローチが必要とされるために、その研究が遅れている。本研究では、磁性5f電子に有効な相対論的バンド計算法を定式化した。2)UGe2の電子物性 UGe2は強磁性体であることから、理論による解析が未だ十分に行われていない。そこで、本研究で開発した相対論的バンド計算法を用いてUGe2の電子状態とフェルミ面を解析した。その結果、UGe2は5f電子特有の重い電子系であることが分かり、実験結果と一致する結果を得た。3)核燃料UO2の電子構造 核燃料物質である反強磁性UO2の熱伝導度の振る舞いを把握することは重要である。しかし、熱伝導度に影響を与える電子構造の計算が、相対論的効果を考慮した形では、未だ行われていない。そこで、RBC法を適用し、UO2の電子構造の詳細を明らかにした。
山本 悦嗣; 本間 徹生*; 芳賀 芳範; 稲田 佳彦*; 青木 大*; 辺土 正人*; 吉田 良行*; 山上 浩志*; 大貫 惇睦*
Physica B; Condensed Matter, 259-261, p.1085 - 1086, 1999/00
被引用回数:3 パーセンタイル:22.8(Physics, Condensed Matter)ウラン化合物UBの単結晶育成に初めて成功し、ドハース・ファンアルフェン効果の測定を行った。得られたドハース・ファンアルフェン効果のブランチは7つあり、そのサイクロトロン有効質量は1.2から7.7mの範囲であった。この測定結果はウランの5f電子を遍歴電子として計算したバンド理論とよく一致し、UBのフェルミ面を明らかにした。その結果、UBは伝導を荷う電子と正孔の数が等しい補償金属であり、フェルミ面は開軌道を含まない閉じたものであることがわかった。